悟りと魔境(その10)
(その1)(その2)(その3)(その4)(その5)(その6)(その7)(その8)(その9)からの続き


3.自称霊能者たちの神秘体験

(4).坂本政道氏(ヘミシング)のケース

 ヘミシンクで設定されているフォーカス・レベルの内、最高レベル(と思われる)の「フォーカス49(銀河系の束縛から自由。I/There(アイゼア)クラスターの集団がある)に行ける坂本政道氏。

 以下では、そのフォーカス49での「銀河系その束縛から自由」となったらしい体験がどのようなものかを見て行きたい。


 まずは、「フォーカス35
(地球生命系の束縛からの自由。I/There(アイゼア)がある。地球外生命体が多数集まってこれから地球で起こることを観察している)での様子から見てみよう。
『2012年目覚めよ地球人』 (坂本政道/ハート出版/2008.9) <P.203-204>
2007年12月23日(日)フォーカス27体験2日コース

 2日目午後2回目のセッション(2回目の救出活動)
 救出活動ではなく、フォーカス35でメッセージをもらうことにする。
 フォーカス10ぐらいでサミーのレストランをイメージしてフォーカス27へ行く。うまくイメージが安定したので、さらにフォーカス35へ行く。
 
フォーカス35特有の暗い空間が見えてきた。
 
宇宙船が見える。視界には左向きの先頭の部分のみが半楕円状に見えている。
 初めはヴォイジャー8号かと思ったが、上部がガラス張りのように透明になっていて内部が見えるので、違うことがわかる。左向きの船体に沿って
操作パネルなのか、光の点がいくつも並んでいる。内部へ。
 ここは前回来たところか。
 「父に会いたい」と言う。
 「許可は取ったのか?」
 「私は息子だ」。
 そう言うと、少しして、何かの存在が目の前の暗い空間に現れた。存在は振り返りこちら向きになった。すると天井が消えてなくなり、
ヒューマノイド型の姿が見えてきた。
 その存在は何か丸い台の上に立っているが、姿の詳細はそれ以上わからなかった。
 黒っぽいシルエットのみが見える。
 「2012年のことをもっと知りたい」
と、ここに来た私の意図を明確にした。


(注)文字に色を付けたのは管理人(以下同様)
上記は、坂本氏がモンロー研のプログラムを受けた時の体験。
 宇宙船に、操作パネル、ヒューマノイド型の姿とSFチックなフォーカス35の世界。

 続いて、「フォーカス42
(太陽系の束縛から自由。I/There(アイゼア)クラスターがある)
『2012年目覚めよ地球人』 (坂本政道/ハート出版/2008.9) <P.210>
2008年3月16日(日)(スターラインズU)

 セッション6(銀河系内でのフリーフロー)
 
フォーカス42へ。
 暗い宇宙空間に、右手のほうに茶色のそばの塊のようなものが見えてきた。何本ものそばが網状になっている。ITクラスターだ。
 
ナレーションが宇宙ステーション・アルファ・スクエアードとドッキングすると言っている。何か巨大なエネルギー体のようなそばへ近づいていく。
 さらに
ロビーへ移動する。黄色っぽいところへ来た。はっきりと形が把握できるわけではない。エネルギー存在が何体かいるようだ。エスコートされて、自分の部屋へ行く
「和風がいいですか、それとも洋風がいいですか?」
と案内役の存在が聞いてきた。洋風にする。
 こちらでも、宇宙ステーションが登場。ナレーションがあったり、エスコートされて部屋に案内されたりと、SFの世界で宇宙旅行をしているようである。

 そして、最高レベル(?)の「フォーカス49
(銀河系の束縛から自由。I/There(アイゼア)クラスターの集団がある)での体験は以下の通り。
『2012年目覚めよ地球人』 (坂本政道/ハート出版/2008.9) <P.216-217>
2008年3月18日(火)

 セッション12(
フォーカス49でフリーフロー)
 V8に着いた。暗い中に窓が見える。結晶にエネルギーを集中する。今回はまっすぐにフォーカス49へ行くとのこと。
 しばらくすると、例の網状のものが見えてきた。今回は薄い白い色をしている。
 
宇宙ステーション・アルファXとドッキング。ここから自由行動だ。
 クラスター・カウンシンと会うことにする。時間はたっぷりあるからいろいろ聞ける。
 会わしてもらえるようにお願いする。いいだろうということで、ちょっと移動感があった。
 
会議室のような空間に来た。テーブルがある。
 
前に人が4、5人座っている。中央は男性、右に女性がひとりいる。ひとりひとり紹介された。全員の名前を聞いたが、覚えているのは中央のエトゥルフィンという名前だけだ。
 人の姿をとっているが、そのほうがこちらが把握しやすいだろうという理由からだ。この前あった父はこの中にはいない。集合意識なので、どの部分が代表として出てくるかで違う。今回はあの父的存在ではない部分が出てきたとのこと。
 「父というのは本当か」
 「知ってのとおり、自分が生み出したものに対して自分は父となる。我々はいろいろな領域を探索するためにその一部を派遣する。このあたりの領域を探索するために、20個の部分を生み出した。それがあなたやモンローだ。
 先ほどプレアデスで聞いたと思うが、
あなたはプレアデスをベースにしてあちこちへ行ってはそこを探索し帰ってくるということをしている
 
今回は2012年のことを実現するためにモンローとともに地球生命系へ入った。いろいろな生命を体験して人間になった。それは意識の進化を順々にして人間になったというよりは、いろいろな体験をざっとしたといったほうがいい。
 すでにいろいろな生命形体があることはわかっていたが、それを実際に体験しないことには具体的にはわからない。だから、すべて体験してみた。」
 宇宙ステーションが登場し、会議室で宇宙人たちと会談。やはり、どこまで行ってもSFの世界(笑)

 そして、宇宙人の話によると、どうやら坂本氏もプレアデスをベースにした宇宙人で、「今回は2012年のことを実現するためにモンローとともに地球生命系へ入った」らしい。

 なお、「2012年のこと」とは、2012年に地球人類が輪廻から卒業することである。(※詳細は以下の記事を参照)
○「『2012年目覚めよ地球人』にツッコミ!(その1)
○「『2012年目覚めよ地球人』にツッコミ!(その2)

 さて、坂本氏は上述のような体験に対して、どうやら、
「実際にそのような場所へ行き、宇宙人たちから情報を得ている」と考えているようで、自身の体験や宇宙人たちから得た情報を書籍等で公開している。

 坂本氏がそのような行動を取るのは、その体験が
「実際の体験だ」と思い込むほどのリアルなものであるからであろう。

 しかし、
実際のところ、坂本氏が宇宙人から得た情報など何の当てにもならない

 上記で触れた、
「2012年に地球人類が輪廻から卒業する」という話もそうであるし、また、坂本氏が宇宙人から聞いた地球の太古の話にはムーやアトランティス等が登場する。
 そんなものはただのガセネタに過ぎないのだが、本人が「あった」と思い込んでいれば、宇宙人も「あった」ものとして語ってしまうのである。

 さらには、坂本氏は、日本の古代史について宇宙人から教えてもらおうとして、次のことをしている。
『ベールを脱いだ日本古代史』 (坂本政道/ハート出版/2012.6) <P.104>
 以下、日本の古代史についてこの存在から得た情報を順にお話ししていこうと思う。
 
情報の来方だが、会話のように言葉で教えてもらうこともあったが、そういう形はむしろ例外的だった。自分でいろいろ調べていくことが必要で、そうする過程で次第にひとつのストーリーに落ち着いてくるのである。
 そうすると、何かピタッとジグソーパズルがうまく合ったときのような満足感がある。そうでない場合は、何かまだだという感覚が残る。そこでさらに調べていくと、最終的にピタッとする答えに行き着くのである。なので、けっこう時間をかけて試行錯誤を繰り返し、落ち着くところに落ち着かせるという作業を行った。万貴さんが言う「謎解き」と同じである。

  自分で調べて、「試行錯誤を繰り返し」「最終的にピタッとする答えに行き着」かせる為の、「謎解き」のような作業。

 これまでと同じように
宇宙人たちに答えを教えてもらえばいいものを、自分で試行錯誤して考察をしている。

 ムーやアトランティス等が登場する超古代史の場合は、坂本氏がそれまでトンデモ本を何冊も読み、ある程度、自分の中で超古代史観が出来あがっているので、宇宙人も普通に話してくれる。

 しかし、日本の古代史については、古代史観が出来あがっていないので、事前に書籍等を読んで調べる必要があるし、また、自分自身で試行錯誤をする必要が出てくるのである。

 
所詮、坂本氏が宇宙人から聞いた話などは、「宇宙人(神様)ならどう回答するか」を自分で想像したものと同じレベルのものでしかないのである。
※その他、坂本氏が宇宙人から聞いた話のデタラメさは以下のページを参照
○「坂本政道さまにツッコミ!
 坂本氏が体験した上述のような世界も、まず間違いなく魔境であると言っていいだろう


 ただ、ヘミシングを利用しての体験は、(その9)で見たステージ設定こそ他の宗教などで見られるものと似通っているが、これまで見てきた魔境の体験とは、SFじみていて大きく異なっている。

 何故だろうか?

 その理由は、
事前の刷り込み・思い込みである

 坂本氏のケースでは、ヘミシンクを使用できるようになる為にモンロー研のプログラムを受講しているが、その受講時に、また、モンロー氏の書籍等を読んで、
「各フォーカスでの体験とはこういうものですよ」という刷り込みが行われているのである。

 そして、それを
「真実の体験だ!」等と思い込んでいた為に、魔境に至った時に同様の体験をしたのである。

 また、オーム真理教のケースでは、これまで取り上げてきたような解脱体験を読んだ信者は、
「修行を進めれば、光が見えたり、一体化したり、また、前世が見えたりする」等と思い込むようになる。

 そう思い込んだまま瞑想・修行を行えば、思い込んだ通りの体験をして、
「やっぱり、尊師たちの言っていたことは本当だったんだ!」と勘違いすることになるのである。


 (その1)で見た通り、魔境での体験は、自分の我欲や執着が引き起こしたものに過ぎない

 つまり、
そこでの体験は、「自分もこういう体験をしたい!」等という我執が引き起こした現象に過ぎないのである。




 以上、魔境での様々な体験を見てきた。

 魔境を体験して
「悟った」、「真実を体験した!」等という主張の意味のなさをお分かりいただけたのではないかと思う。


 なお、これまで見てきた魔境に至る手段は瞑想・修行であったが、続いて(その11)では、それ以外のケースについて考察して行きたい。




2014.09.30新規

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