知的好奇心のススメ(その10) |
※当記事は(その1)、(その2)、(その3)、(その4)、(その5)、(その6)、(その7)、(その8)、(その9)からの続き
7.読書の習慣化
これまで何度も述べて来た通り、本を数冊読んだからと言って、その内容は身に付かないし、本を読まない人と何がしかの差が出来るわけでもない。
継続して読み続ける必要があるのだが、最初は「よし、私も本を読むぞ!」とテンションが上がっていても、なかなかそのテンションは維持できずに、いつしか初志を忘れ、なおざりになってしまいがちである。
当記事では、読書をいかに習慣化し、継続して読み続けて行くかについて述べて行きたい。
(1).楽しんで読む
読書は、「楽しんで読む」のが基本である。
面白くもないものを続けるのは苦にしかならないし、逆に言えば、面白ければ、他から言われなくても勝手にするものである。
よって、(その7)でも述べたように、ウソでも「大げさに感動しながら読む」のがいい。
もちろん、自分が興味をもてる本を選ぶことが前提であるが、そこからさらに、面白がっている行動(思考)を作り出せば、それは主観や感情にも影響を与えることになる。
世の中には「笑い健康法」なるものも存在するが、ウソでも笑いを作り出せば、何か楽しいような気持ちなってくるのと同様である。
また、小説等ならいざ知らず、知識を得る為の読書の本当の面白さが分かるのは、自分の中で知識が徐々に形を成して行くのを感じ取れるようになってからであると思う。
そこまで行くには、それ相応の読書量が必要なのだが、そうなれる前は、「大げさに感動しながら読む」で継続する為の補助とするわけである。
(2).心地良い脳へのストレス
運動の後の心地良い疲れ。それと同じものが脳を使うことにも存在する。
運動し過ぎれば、心地良いどころか、疲れ過ぎて身体を壊しかねない。かと言って、軽過ぎる運動では「心地良い疲れ」というものは味わえない。
適度な運動量というものが人それぞれであるように、脳を使用する適量というのも人それぞれである。
よって、適度に脳を使用して、その心地良さを味わう為には、自分に合った難しさの本を読むのが一番良い。
難し過ぎてもダメであるし、簡単過ぎてもダメである。特に、本を読むことに慣れていない人は、(その6)で紹介したような分かり易い入門書から始めるのが良いだろう。
そうすれば、「心地良い脳へのストレス」を味わえ、読書を長続きさせることに寄与することになる。
あまり脳を使っていない人というのは、自分で考えることに対して拒否反応を示すものである。
それは、「少しの距離を移動するのにもタクシーを使用して、絶対歩かない」と言うような人が、身体を動かすことに対して見せる拒否反応と同じものである。
○自分で決断することがイヤで、全て占いに頼る
○自分が所属している宗教が与えてくれる答えを、何も考えずに全て受け入れる
そのような人は、運動しない人が筋力も体力も減退するように、脳の筋力・体力が退化してしまっている。パスカルの「考える葦」ならぬ「考えない葦」になってしまった人間に、何の価値があると言うのだろうか。
そうならない為には、(その7)で記載した、本を「考えながら読む」ということが有効な手段の一つであり、一方、そうすることで脳を使用する心地良さも味わえることになるのである。
また、運動を続けていれば、体力がついて「適度な運動量」というものが増えて行くように、読書を続けていれば、脳の筋力・体力も付いて来て、徐々に、より難しい本を読んでも、さほど苦にならなくなるどころか、心地良さを感じ取れるくらいになって来るようになる。
そのような自分の成長を感じ取れるのも、読書の楽しみの一つと言えよう。
なお、「心地良い脳へのストレス」を与え続けると、少しずつそのストレスが溜まって来てしまうものである。
よって、「ちょっと疲れてきたな」と思ったら、ストレス無くして読めるような簡単な内容やジャンルの本を読んで、脳を休めてあげることも時には必要である。
(3).楽しいと思えるジャンルを増やして行く
(その9)で書いたこととも重なるが、如何に好きなジャンルでも、似たようなジャンルの本ばかり読んでいては、やはり飽きてしまうものである。
よって、時に「独掘り」を行い、新たに、自分が好奇心をそそられるジャンルを開拓して行く必要がある。
楽しいと思えるジャンルが多ければ多いほど、「こっちは今、お腹いっぱいだから、あっち。その次はそっち」という感じで読書の選択肢が増えることになり、「お腹いっぱいでも、スイーツは別腹」と同じノリで、いつまでもお腹いっぱいにならずに読書を続けられるようになるのである。
(4).生活リズムの中に組み込む
(3)までは、「如何に飽きずに、疲れ過ぎずに、楽しんで読み続けるか」を目的としたものである。
ただ、そうは言っても、読書を続けている内に、
「なんとなく読む気が起きない」
とか、
「ついつい、後回しにしてしまって、それを続ける内に、なんか読まなくなった」
ということも起きるものである。
そうならない為には、読書を「生活リズムの中に組み込む」のが一番である。
「このタイミングでは読書をする」というタイミングを作ってしまうのだ。
例えば、「朝起きたら顔を洗う」のもそうだ。もう、生活リズムの中に組み込まれてしまっているから、特に考えずにその行動を起こす。
それと同じように、読書も組み込んでしまえれば、苦もなく習慣化することが出来ることになる。
また、タイミングとしては、例えば、次のようなものが考えられるだろう。
○朝起きた時
○朝のトイレの中(※一人暮らしでないと難しいだろうが)
○出勤、登校時の電車の中
○帰宅時の電車の中
○食事の後
○寝る前 |
ちなみに、私の場合、「寝る前」と「『もう、これ見なくていいや』と決めた深夜アニメを見ながら」というタイミング、及び、「朝起きた時」、「夕食後」というのがタマに、という形で組み込まれている。
また、正直なところ、私自身、「読書が習慣化されてたな」と思うのは、ここ二、三年の話である。(ちなみに、読書を始めたのは10年程前から。)
それまでは、「読書三昧」と言えるような時期もあれば、「数ヶ月、本読んでいない」という時期もあった。
やはり、どうしても「なんか本を読む気になれない」という時期もあるものである。そんな時は、無理にでも読むのも一つの手であるが、読まずにいるのも一つの手であると思う。
ただ、「もう、読書なんてや〜めた」と読書を止めてしまわなければ良い。止めてさえしまわなければ、そのうち自然と「読書しよう!」という気が湧いてくるものだ。
読む時期、読まない時期、そして読書量の波があって、続けて行く内に次第に、平準化されて行くものであると思う。
以上、「知的好奇心のススメ」の記事は、基本的にこれで終了である。
ただし、私の文章力・表現力の無さで伝わらなかったこと、また、「長くなりそう」等の理由であえて触れなかったこと等を補う為に、(その11)では当記事を作成するにあたって参考にした書籍を紹介して終わりとしたい。
2016.03.08新規
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