悟りと魔境(その11)
(その1)(その2)(その3)(その4)(その5)(その6)(その7)(その8)(その9)(その10)からの続き


 これまで魔境での様々な体験を見てきたが、その魔境に至る手段は瞑想・修行であった。

 管理人は、それ以外にも魔境に至るケースがあるのではないかと推察しているのであるが、そのケースを述べる前に、当記事ではその前提となる内容について押さえて置きたい。



4.「魔境」の再定義

 魔境について、これまで見てきた情報をもとに、管理人なりに再定義すると以下の通りである。

 瞑想・修行等を行った際に見る幻覚であり、我欲や執着、固定観念等が元となって潜在意識が引き起こす現象。


 それは、脳の夢を見る機能と関連するが、夢と異なり、麻薬を使用した時に生じるような幻覚と同様のリアルさがある。

 我欲や執着が元となっているので、「神と一体化したい」「宇宙を一体化したい」「宇宙人とコンタクトしたい」等というで瞑想・修行をしている場合、実際にそのような体験をすることになる。

 そして、その体験のリアルさから、多くの場合、それを
「真実の体験」だと勘違いして、「自分は悟りを得た!」「自分は特別な人間になった!」等と思い込んで増長し、自己を肥大化させることになる。

 なお、
「神と一体化したい」等というの根底に、さらに、「自分は特別な人間になりたい!」「自分が特別な人間だと思いたい!」等というがあって、そので目が曇っている場合に、魔境を意味の無いものだと気付けないどころか、その体験に執着し続けることになる。




5.魔境≒霊能力

 管理人は、霊視・霊聴・霊言等といった
霊能力と言うものも、基本的には魔境と同じ現象ではないかと考えている

 つまりは、双方とも、脳の夢を見る機能と関係していて、簡単に言えば、
「リアルな夢」

 そして、
霊能力の方は、肉体も脳も完全に目覚めていて、現実の活動を行っている最中に、脳の夢を見る機能が働いた結果ではないかと考えている。

 例えば、霊能力者が、人の顔っぽいものが写り込んでいる写真を霊視し、その写真の場所で自殺する人の姿が視えたとしよう。

 まず、写真を見た霊能者に、前提としてあるのは次のものである。
○「『人の顔っぽいもの』は、霊が写り込んだもの」という思い込み
○「人の顔っぽいもの」から受けた印象
○それまでに蓄積した心霊写真に関する知識(=固定観念) (例えば、「悪い印象を受けるもの→自縛霊、自殺霊、悪霊」。「良い印象を受けるもの→神霊、守護霊、先祖霊」。)
 次に、このような思い込みや印象、固定観念を元に、脳の夢を見る機能が霊能力者に「その場所で自殺した人」という映像等の情報を与える。

 そして、その情報を元に霊能力者は
「これは、この場所で自殺した人の霊が写り込んだものです」等と言って霊視結果として提示する。

 これが、霊能力の正体ではないだろうか。


 よって、ありがちな話ではあるが、例えば、CGで合成したインチキ心霊写真を見ても、霊能力者がホンモノだと思い込めば、それっぽい霊視結果が出て来ることになる。

 また、夢というものは、自分が事前にそのストーリーや登場人物、セリフなどを構想してから見るものではなく、自分が全くストーリー等を意識せずに勝手に展開していくものである。それと同様に、霊能者自身がそのような情報を自分の脳が作り出しているという認識はないことなる。

 神などの声が聞こえる霊聴も同様で、夢の登場人物が勝手に話すのと同様、自分自身が全く意識していない言葉が聞こえてくることになる。

 ただ、手が勝手に文字を記すと言う自動書記等、身体が動く場合は、夢だけでは説明が難しいかもれしれない。
 しかし、自分自身が意識することなく脳が勝手に存在しない映像や音を発生させることができるのなら、意識せずに文字を書くという現象も発生しうるのではないかと思われ、やはり、そこに、脳の夢を見る機能が大きく関与していることは間違いないだろう。

 なお、寝て見る夢と、目覚めている時に霊能力として見る夢との異なる点をあげれば、目が覚めて顕在意識が活発に活動している分、それに影響され、夢にある荒唐無稽さが制限されるというところではないかと思われる。


 よって、この仮説を前提にすれば、
霊能力というものは、自分の印象や固定観念通りの情報を、脳の夢を見る機能が作り出して見せたり、聞かせたり等しているだけの能力だと言うことになる。

<補足1> 何も視えていない自称霊能力者について

 上記では、
「視えている内容の真偽に関わらず、本当に何かが視えている自称霊能力者」を前提にした。

 しかし、自称霊能力者の中には、脳の夢を見る機能が働いておらず、つまりは、特別なものは何も視えていないにも関わらず、
「自分には霊能力がある」と思い込んでいる者もいると思われる。

 それは、より具体的に言えば、
自分が想像したに過ぎないものを「霊視した」と勘違いしているケースである。

 そのような自称霊能者は、例えば、他人のオーラの色を霊視する際、その人から受ける印象を

  「情熱的な印象だから、赤色」
  「暗い感じだから、黒に近い沈んだ青色」

というように色にたとえる。

 そして、そのように自分が連想したに過ぎないものを
「霊視した」と思い込んで、相手のオーラの色として提示するのである。
 

<補足2> ホンモノの霊能力者について

 上記内容からすれば、
「ホンモノの霊能力者などいない」という結論になると思うが、管理人は、「ホンモノの霊能力者も少ないながらも存在している」のではないかと考えている。(※その、ホンモノの霊能力者も何でもかんでも視える、分かるのではなく、一定の制約・条件の下で制限された能力を発揮する程度だと考えているが)。

 そのように考える理由であるが、霊能力の基本については上記の通りで、かつ、他にも次のような要件・条件を想定しているからである。

○特定条件下での意識の共有は可能

○意識の共有は、生きている人間同士でも可能であるが、
「生きている人間+霊」の場合も可能で、かつ、その結びつきが強い場合は、降霊・憑依と言われる状態になる。(※「霊は意識のみの状態」という前提)

○この、
「生きている人間+霊」の意識の共有の場合に、霊側が持っている情報を、人間側の脳の夢を見る機能を通して与えることで、正しい霊視が可能となる場合がある。

○部屋にいる霊を霊視してその姿が視えた場合、その霊が持っている意識の内、「この部屋にいる」という意識、及び、「自分の姿」の認識を共有したことになる。

○生きている人間同士で意識の一部共有が起こった場合、
「一人の人間の脳が作り出した幻想を、他の人間も同時に視る」という現象が起きることがある。


 この内容は、まだまだ考察中のものであり、より考察が進んで論述できるレベルになったと判断したら、別途、公開したいと思う。





 以上、前提の説明が長くなったので、ここで一旦切り、瞑想・修行以外で魔境に至るケースについては、(その12)で見て行きたい。



2013.11.04新規

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