インチキ教祖・教団の手口(その14)
※当記事は、(その1)(その2)(その3)(その4)(その5)(その6)(その7)(その8)(その9)(その10)(その11)(その12)(その13)からの続き


7.羊頭狗肉

(2).高級っぽさを演出する記号


D.国連

 多くの人は国連を権威ある機関であると認識し、「一国の代表でもないのに、国連で講演した」と聞けば、その人物は世界的な認知を得ていると判断しがちである。

 しかし、例えば、ウチでツッコミを入れている中では、次の人物が国連で講演を行っている。

   イハレアカラ・ヒューレン (ホ・オポノポノ) (*1)
*1)
下記リンク先のプロフィールに国連、ユネスコをはじめ、世界平和協議会、ハワイ教育者協会など様々な学会グループと共に何年にも渡りホ・オポノポノを講演とある。

 ○「対談:イハレアカラ ヒューレン氏×中西研二(第1回)」 (HP「NPO法人 JOYヒーリングの会」)

 また、他にも、統一教会の文鮮明も国連で演説を行っている。統一教会が国連で行った講演等をWikipedia「世界基督教統一神霊協会の年表」から抜き出すと次の通りである。
1993年9月7日 韓鶴子がニューヨーク市の国際連合の第2会議場で、「神、女性、そして世界平和」のテーマで講演国連議長ストヤン・ガネフが韓鶴子を紹介。(※韓鶴子は文鮮明の三番目の妻)

2000年
6月23日 韓鶴子が国連NGO(非政府組織)の「世界平和教育者国際連合(IAEWP)から「グランプリ平和賞」を授与される。
    8月18日〜20日 ニューヨークの
国連第2会場で、国際会議「アセンブリ2000」(「世界平和超宗教連合」主催)が開催。(※「世界平和超宗教連合」は統一教会関連のNGO
その場で
文鮮明は、「国連の刷新と平和の文化建設」と題する基調講演で、宗教指導者たちによる超宗教議会を、国連の上院組織として設置し、国連を上下2院制にすること、世界のあらゆる国境線・紛争地帯を、国連管轄下の平和地区にすることなどを提案。

2001年
1月27日 国連本部及び各国会場で4億組第2次国際合同祝福結婚式を開催。
 講演を行うどころか合同結婚式まで開催している。

 さらに、Wikipedia「世界基督教統一神霊協会の年表」には記載されていないが、
国連自由権規約人権委員会は2014年7月24日、日本における統一教会信者の拉致監禁問題に「憂慮」を表明し、「有効な手段を講ずるべき」と日本政府に勧告を行った。(※参考:やや日刊カルト新聞「国連自由権規約人権委員会の“トンでも”勧告に、全国霊感商法対策弁連が声明 (2014.8.1)」)

 各国からカルト認定されている統一教会でさえ(*2)、もはや、やりたい放題と言った感がある。
*2) 統一教会がカルトと分類された例
オーストリア連邦環境・青少年省(1996)
ベルギー議会調査委員会(1997)
フランス国民議会委員会報告(1995)(フランス国家警察の情報機関総合情報局が、複数のセクト監視グループと編集)
フランス国民議会委員会報告(1999)(カルトと金銭に関するフランス議会報告、30数団体にし注意を集中させ調査した)
ドイツベルリン上院報告(1997)
中国共産党中央弁公庁報告(2014)


※参考:Wikipedia「世界基督教統一神霊協会」 6宗教活動 6.5セクトまたはカルトと分類された例
<参考> 統一教会関連の国連NGO
<宗教関連>
世界平和超宗教超国家連合 (国連経済社会理事会の特別協議資格を持つ)

<ボランティア関連>
○世界平和女性連合
○非政府組織世界協会

<学生・青年組関連>
○世界平和青年連合

※参考:Wikipedia「統一教会関連の企業と団体
※国連NGO ・・・ 国際連合と連携を行う民間組織 

 さらに、日本の新興宗教(※新宗教・新新宗教も含む)ついて、国連との関係をざっと調べてみると次の通りである。(※あくまで、「ざっと」調べただけなので留意願いたい)
<創価学会>
・池田大作
 1983年8月 「世界保健機関」をはじめ、国連機関への貢献が評価され
「国連平和賞」を受賞
 1988年6月 
国連事務総長から特別顕彰
 1989年6月 
国連難民高等弁務官事務所から人道賞
 1989年10月 
国連事務総長から特別顕彰

・国連・
経済社会理事会に諮問的地位を有するNGO
   
創価学会インターナショナル【A1】 (Soka Gakkai International:SGI International)
   
創価学会インタナショナル (Soka Gakkai International:SGI)


<参考>
○Wikipedia「池田大作
○「池田名誉会長関連データ 国連からの表彰」 (HP「創価学会公式サイト SOKAnet) 
○「日本に本部を置く国連/NGO」 (HP「国際連合広報センター」)
<立正佼成会>
1973年5月4日 庭野日敬(にわのにっきょう)が提唱者であるWCRP(世界宗教者平和会議)が国連NGOとして正式加盟。
1978年6月12日 
庭野日敬がWCRPの名誉議長として第1回国連軍縮特別総会で演説
1982年6月24日 
庭野日敬がIARF(国際自由宗教連盟)会長として第2回国連軍縮特別総会で2度目の演説
1988年4月15日  
立正佼成会青年部(現:青年本部)が国連平和賞を受賞。伝達式を本部大聖堂にて明石康国連事務次長(当時)臨席の下挙行。
     6月8日 
庭野日敬が立正佼成会会長として第3回国連軍縮総会で3度目の演説

・国連・経済社会理事会に諮問的地位を有するNGO
    
立正佼成会 (Rissho Koseikai)


<参考>
○Wikipedia「立正佼成会
○「日本に本部を置く国連/NGO」 (HP「国際連合広報センター」)
<真如苑>
2012年3月 伊藤真聰(いとうしんそう・女性)が「GPIW(女性による世界平和イニシアティブ」の呼び掛けによって開かれた国際会議に参加し、国連環境計画(UNEP)本部(ケニア・ナイロビ)にてスピーチ。

※「GPIW(女性による世界平和イニシアティブ」・・・女性宗教指導者の諸宗教組織。代表は、米国のヒンドゥー教徒であるディーナ・メリアム。


<参考>
○「過去のニュース 苑主、国連環境計画本部にてスピーチ」 (HP「真如苑 公式サイト」)
○「Global Peace Initiative of Women Convenes Environmental Conference in Kenya 02/03/2012」 (UNEP(国連環境計画) HP)
 このように、国連での演説など結構、ありがち。

 管理人は国連のことはよく分からないが、宗教団体は人と金があるので、おおよそ、次のような流れが教祖の国連演説を実現するオーソドックスな流れではないかと推測する。
@人権、平和、環境等に関するNGOを設立

Aそれっぽい活動&国連(関連組織も含む)への寄付

B国連NGOとして認められる

C国連にてNGO主宰のイベントを開催し、NGOの代表として教祖が演説


 以上、少なくとも国連に対する過大評価や過剰な期待を控え、
「国連で演説した!」という話を聞いても、それを判断の材料にしない方が良いだろう。





 (その14)まで渡り、インチキ教祖・教団の手口を見て来た。

 インチキ教祖・教団というのは実質的な中身がない分、これまで述べて来たような手口を使って、中身があるかのような幻想を抱かせ、信者たちを欺く。

 逆に言えば、それっぽいだけの中身で満足し、教義をより洗練・研磨し、実践的・実現可能なものにすることよりも、それっぽい外見を整えることに注力するからこそ、インチキ教祖・教団であると言えよう。
○信者を幸せにすることよりも、幸せであるかのような気にさせることに力を注ぐ

○信者を人格的に向上させることよりも、人格的に向上したような気にさせることに力を注ぐ

○信者を名実ともに「神の側にいる」と言えるようにすることよりも、神の側にいるかのような気にさせることに力を注ぐ
 教祖も信者もこのような幻想に浸った上で、それに執着し、自己欺瞞をし続けるのである。

 そして、信者たちは他から批判されると、最初は
「理性的」を装いながら、反論できなくなると詭弁を弄して誤魔化したり、時に、狂ったように相手を攻撃し出す。

 もともと理性的に
「その宗教が正しい」と判断したわけではなく、これまで見て来たような手口を使われて、漠然と「その宗教が正しい」という気になっただけだからだ。

 
「理性的」の反対は、「感情的」、「盲目的」。

 
「理性的」なつもりでいるだけだから、実際は、言われるがままの「盲目的」であり、化けの皮が少しでも剥がされそうになれば「感情的」になるのである。

 信者になる前と比べ現状維持ならまだしも、その幻想に浸っていることに強く執着し、一方で、布施等という名目で金を吸い上げられ、ボランティア等という名目で時間と労力を奪われる。インチキ教団のカモとして、手先として、いいように利用されているだけ。

 
実際は、むしろ転落していることに気付かなくてはならない。


 なお、これまで述べた手口の多くは、宗教関連のみで使用されているわけではない。

 中身のない主義・主張。外から見れば苦笑するしかないものであっても、それなりに支持する人がいるのは、やはり、同様の手口でもって中身があるかの如く思い込まされているからである。

 そのような主義・主張に捕らわれている人は、やはり、インチキ宗教の場合と同様に
「理性的」の反対。「感情的」「盲目的」で、時に、「暴力的」である。

※当記事に興味を持たれた方で、以下の記事をまだ読んでいない方は一読しておくことをお勧めする。
○「洗脳の手法(その1)」 〜(その3)



2015.11.10新規

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